おとなになるということ
昨日の記事に少し書いたのですが、相変わらず例の生徒のことで心を痛めています。
参考記事↓
今週始めに例の子がやってきて、3時間指導しました。普段は2時間なのですが、その日は授業を見学したいという見習いの昔の教え子がやってきていたので、長めにすることにしました。
手こずっている生徒を別の人に一緒に見てもらう。客観的意見をもらう。それは私にとってとてもありがたいことでもありました。
その難しい生徒をJ君、見学に来た教え子をMちゃんとしますね。
J君は私のところにやってきてまだ5ヶ月。見学に来た教え子のMちゃんは私のもとで8年勉強しました。
J君とは始めから会話が噛み合いません。質問の答えが返ってきません。授業中に課題を与えてもやりません。何故やらないのか、やりたくないのか、できないのか、課題を理解ができないのか、集中力がないのか、わかりません。
見学しているMちゃんは目を見開いてこっちを見ています。
ああ、やっぱりそうだよね、この子おかしいよね。そう思っているのは私だけではないよね。
J君の試験まで残り2ヶ月となりましたが、到底無理です。明らかに無理です。しかし本人が自分の間違いや足りないものに気づけないのだから、私の「無理」という言葉は信じられるわけはない。
「入試するの?」と私は聞きました。すると「僕がどの大学にも入れず、職業にもつけないという先生の見解は受け入れられない。」と言われました。相変わらず質問の答えがイエスノーで返ってきません。
まあそうだろうよ。受け入れられていないんだろうよ。
「それはぶっちゃけ私にはどうでも良いことです。あなたが試験しようがしまいが、あなたの勝手。私は試験をするのかどうかを聞いたんだ!」
するとあーだこーだと言った後に入試はすると言う。勢いはあるのに何故本気で準備しないのか!
もう彼が無理なのは明らかだし、彼に中途半端な期待をさせると後で揉めそう。だから私はとことん私のスタンスを貫くしかないのです。
彼が彼の間違いに気づくことができたら大きな一歩。今はそれを目標に指導しています。貴方に足りないものを貴方はわかろうとしているの?
私の大好きな本に「おとなになる本」というのがあります。小さい頃に伯母が与えてくれました。未だに読んでいます。この本に小さい頃に出会えたこと、とても感謝しています。
“どんな人生を送りたいか、ぼんやりと夢見ているだけなら、それは「子供の夢」にすぎない。夢を手に入れるための具体的な方法を持たないあなたは、いつまでたっても、ただぼんやりと夢を見上げ、落ち込んだり、腹をたてたりしている。あなたは、大人になるということは夢を捨てることだと決めこんで、子どものままでいようとしているのだろうか。
だけど、大人になるということは、夢を捨てることではない。大人になるということは、現実の中から具体的な道を探し出し、夢と現実のギャップを埋めていく方法を知ることでもあるんだ。
具体的な道を探しだすためには、まず自分の現在地をきちんと知らなければならない。街にある地図には、必ず「現在地」に印がついている。現在地がわからなければ、行きたいところへ行くための道を見つけ出すことができないからだ。"
彼が現在地に気づけますように。