承認要求の強い男
お題「今日の出来事」
詳細は伏せますが、たまに教えるお仕事をしています。今日は、新しい生徒が来ました。電話で話をした時から、ぶっ飛んでいる、図々しい、無知、鼻が高い、どのタイプかわからないけど、とにかく変わった子だと思っていました。しょうもないことで、自分を大きく見せようとします。他人から見たら、「だから何?」みたいな内容です。
まず、相手のことを知りたいので、気を使いながら相手と会話をしたのですが、会話がうまく噛み合いません。質問の答えが返ってこないのです。
何かを隠しているのだろうか?
何を隠す必要があるのだろうか?
そんなに難しいことは聞いていません。
「私のところへ来る前は、誰のところで勉強していたの?」
「何年間ぐらいやっていたの?」
簡単な答えだと思いますが、返事がストレートに返って来ません。
話を進めていくうちに、父親の話がでてきました。今は別の所に住んでいると言います。そして、以前は、父親に教えてもらっていたということがわかりました。
しかし、どうも、父親のことをそれ以上話したがらない。彼にとっての父親は、どういう存在なんでしょうか。
おそらく離婚して父親が遠くに行ってしまい、父親と同じ職業をやりたいけれども、父親が好きなものを自分も好きであると認めたくない気持ちと葛藤してきたのかな、と思いました。
ですから、それ以上家族に関わる話や、過去のことを聞くのはやめました。
承認要求
このやりとりをあとで旦那さんに話したところ、「彼は多分、父親よりも、母親と問題があるのでは。」と言われました。
母親の話は一言も会話に出てこなかったので、意外な見解です。
旦那さんの予想では、そばにいる母親から充分に愛されてこなかったのではないかと。きっと彼は承認要求が強いのではと分析します。
承認要求とは、『人に愛されたい、認められたい』という欲求のことです。言ってしまえば自意識過剰。人からどう思われているかがとても気になります。親、上司、先生などから認められることによって、自分の価値が上がると思っています。
調べたところ、承認要求には3パターンあるようです。
-
『上位承認』自分が他人よりも優位であることで認められたい要求
『対等承認』自分と他人が同等であることで認められたい要求
-
『下位承認』自分が人からさけずまれたいとする要求(他人に依存するタイプなど)
話を元に戻します。
旦那さんのお見立てによると、その彼は承認要求が強く、自己否定も大きい。だから、私が質問した、「私のところへ来る前は、誰のところで勉強していたの?」の答え→「父親にしか習っていない」が言えなかったし、「何年間ぐらいやっていたの?」の答え→「たいしてやっていない」が言えなかったから、会話が噛み合わなかったのではないかと。
大きく見せようとしている今の自分と、過去の自分が釣り合わない。なるほど。承認要求が強いと言われてみると、納得する行動、言動が沢山ありました。
自分はデキルというアピールもすごかったし、私が彼を同等に扱わないと嫌なんだろうなという気もしました。先生と生徒という関係なはずなのに、「友達同士」のようでなければ受け入れられない、そういう感じがしました。年齢が20近くも離れているのに彼は私に敬語が使えません。
夢から醒ます
彼は口ではでっかいことを言うのに、現実が見えていません。無知なのか、実際の自分はそれほど大きくないということを認めたくないのか。
私は、そんな彼に、酷な話をしないといけませんでした。それがフェアだと思ったので。
1)残念なお知らせですが、あなたの年齢で、あなたの夢を叶えるには、とてつもない努力が必要です。世の中には、若い才能があふれています。それに貴方は対抗しないといけません。
2)あなたには足りない要素が沢山あり、あなたの夢を叶えるスタートラインに立つ前に、やらなければいけないことが、山ほどあります。流暢なことは言ってられません。
この二点は、私は言葉を選びながら伝えることができました。
そして、もう一つ、付け加えました。
「私は、その道を進んできた者として、あなたに情報を与える義務があると思っています。あなたの夢を叶える道は、はっきり言ってとても険しいです。でも、この人生の選択をするのはあなただから、あなたがやるというなら、力を貸します。」
つまり簡潔にまとめると、
『夢を叶えるのはすでに困難である』
『やるならやるで本気でやれ』
『困難ではあるけど、やると言うなら手伝う』
という事を、丁寧な言葉で説明しました。
夢見る夢子ちゃんの彼には、どのぐらい響いたでしょうか。承認要求の強い彼を、私は困らせてしまったでしょうか。
すると、彼が言いました。「もし、夢が叶わなくても、別にやれることがあるからそんなに心配はいらないです。」
先ほどまで、自分を大きく見せようとしていた彼から出た言葉とは思えないような、自分自身を傷つけないように守るような言葉。もしくは、私が自分の才能を認めてくれるのは難しいと思ったから、白旗を上げたのでしょうか。
貴方がやりたいならどうぞ
私は、時間のない彼の夢を叶える手助けをすべく、これから必要なもの、こと、の話をしました。今後のプランです。これだけのことをやらなければ、スタートラインにも立てない。
それを話した後の彼の極め付けの一言。
「貴方がやりたいなら、どうぞ。」
はい?今なんと?
私がしたいなら?
私は、貴方のためにやっているのですが、なぜ、『私がしたいなら』になるのでしょうかね?
それらが必要なほど自分がダメだという現実が受け入れられないのでしょうか?やる気に浮き沈みが大きすぎます。
そこらへんも承認要求と何か関わりがあるのでしょう。
まるで宇宙人と関わっている気分です。
承認要求の強い人との付き合い方
初めて話をした時から、彼は精神的な病気なのかなと、少し思っていました。おそらくその承認要求の強さで人間関係さえ難しくしているこの彼と、私は先生と生徒として、どのようなバランスで付き合っていくべきでしょうか。
数々の彼の失言は、聞こえなかったことにするのが良いのでしょうね。まともに相手をしてはこちらが参ってしまいます。
日々学習。
人を育てるって奥が深いです。
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